仁木町のワイナリーガイド|NIKI Hills・ドメーヌ・イチなど、場所・創業年・品種を1軒ずつ紹介【2026年版】

北海道・余市町のお隣、仁木町(にきちょう)も、いま注目のワイン産地です。町の発表では仁木町のワイナリーは7軒(2026年3月現在)。ワインを造る生産者は14事業者、ワイン用ぶどうの畑は約37ha(2024年2月時点)にのぼります。

この記事では、仁木町のワイナリーと、委託醸造でワインを出しているぶどう生産者を1軒ずつ紹介します。余市町のワイナリーは余市のワイナリー全20軒ガイドでまとめています。

仁木町はどんなワイン産地?

仁木町は、余市川がつくった水はけのよい扇状地に広がる果樹の町です。さくらんぼ、生食用ぶどう、プルーンなどの栽培が盛んで、町によると作付けや生産量は北海道一。この果樹づくりの土台の上に、ワイン産地が育ってきました。

年 できごと
1879年 仁木竹吉が徳島県(阿波国)から360人を率いて入植
1968年 醸造用ぶどうの栽培が始まる
2008年 町内初のワイナリー「ベリーベリーファーム&ワイナリー仁木」が誕生(町の年表では2010年)
2017年 「NIKIワイン特区」に認定される
2020年 NIKI Hills Winery の赤ワインが国際コンクールで金賞。日本の赤ワインとして初めて

人口約3,000人の小さな町で、使われなくなった農地をワイン用ぶどうの畑に変え、農村の風景を守っていこうとしています。

見学できるのはNIKI HillsとDomaine Bless

町のワインツーリズムの案内によると、見学ができるのは Domaine Bless と NIKI Hills Winery の2軒だけです。どちらもツアーの開催日が決まっているので、ホームページで確認するか、問い合わせてから訪ねてください。ほかのワイナリーやぶどう畑には、無断で立ち入らないようにしましょう。

その代わり、仁木はレストランや宿泊施設を持つワイナリーが多く、畑を眺めながら食事をして、泊まれるのが余市にはない魅力です。

仁木町のワイナリー一覧

ワイナリー 創業 所在地 見学
ドメーヌ・イチ(ベリーベリーファーム&ワイナリー仁木) 2008(新ワイナリーは2020) 東町 不可
NIKI Hills Winery 2015(畑は2014) 旭台 ツアーあり(有料・予約)
Domaine Bless(旧ル・レーヴ・ワイナリー) 2020年から自社醸造 旭台 ツアーあり
ドメーヌ・アルビオーズ 2022 旭台 未確認
North Creek Farm 2024年から自社醸造(畑は2020) 西町 未確認
Pur.(ピュール) 2025年産から自社醸造(畑は2015) 東町 未確認

※ ここでは、自社の醸造所があると確認できたワイナリーを挙げています。町が発表している「7軒」の内訳は公表されていません。

1軒ずつ紹介

畑の広さや生産本数は、主に仁木町ワインツーリズムの紹介(2024年ごろの取材)によるものです。

ドメーヌ・イチ(2008年〜)

所在地 仁木町東町
造り手 上田一郎さん(株式会社自然農園グループ)
畑 約7.5ha(ワイン用約2.5ha、生食用約5ha)
年間本数 約15,000本
主な品種 ナイアガラ、ポートランド、ピノ・ノワール、ピノ・グリ、ゲヴュルツトラミナー、ヤマ・ソーヴィニヨン ほか
代表的な1本 蝦夷泡(えぞあわ)シリーズ(ナイアガラとポートランドの微発泡)、ブラン・ド・ノワール(ピノ・ノワールの果汁だけで造る琥珀色のワイン)
見学・購入 見学・直販は対応していない(余市町の馬場商店、中根酒店で販売)。系列の「ベリーベリーファームレストラン」あり

仁木町で最初のワイナリーです。IT企業を辞めて夫婦で有機農業を始めた上田さんが、民家のガレージを改造して「ベリーベリーファーム&ワイナリー仁木」を立ち上げました。2011年には日本で初めてオーガニックワインの認証を取得。手狭になったため、2020年に高台へ新しいワイナリー「ドメーヌ・イチ」を建て、ここでも2021年に有機の認定を受けています。2018年からは野生酵母で発酵させ、亜硫酸をできるだけ減らす造りに切り替えました。公式サイトによると、メインの畑は余市町の登地区にあり、ワイナリーにはほとんどいないため、見学には対応できないとのことです。

NIKI Hills Winery(2015年〜)

所在地 仁木町旭台
運営 株式会社NIKI Hillsヴィレッジ(広告会社DACグループ。醸造責任者:太田麻美子さん)
畑 約6.8ha(敷地全体は約33ha)
年間本数 約30,000〜43,000本(紹介ページに2つの数字)
主な品種 シャルドネ、ピノ・ノワール、ケルナー、メルロー、ピノ・グリ、ツヴァイゲルト ほか
代表的な1本 HATSUYUKI(ケルナー100%。柚子のような香りの白)
見学・購入 ワイナリーツアー(有料・予約)、ショップ、レストラン、宿泊。営業10〜16時(不定休)

丘の上から、ぶどう畑と余市湾までを見渡せる大きなワイナリーです。2014年に使われなくなった農地の整備を始め、翌2015年に醸造棟が完成しました。畑の広さは仁木町でいちばんで、斜面の向きに合わせて白と赤の品種を植え分けています。2020年には「YUHZOME」が国際コンクール「デキャンタ・ワールド・ワイン・アワード」で、日本の赤ワインとして初めて金賞を受けました。醸造棟の見学とテイスティングのツアー、ガーデンや森を歩くツアー、レストラン、ホテルがそろい、仁木でいちばん訪ねやすいワイナリーです。

Domaine Bless(2020年〜自社醸造)

所在地 仁木町旭台
造り手 本間裕康さん
畑 未確認
年間本数 未確認
主な品種 未確認
代表的な1本 MUSUBI、ENISHI(公式サイトのラインナップより)
見学・購入 ワイナリーツアー、カフェ、宿泊(コンドミニアム)。観光協会の案内では土・日曜の11〜14時営業、10〜4月は冬期休業

旧社名は「ル・レーヴ・ワイナリー」。余市川の左岸、南向きの斜面に畑を持ち、2020年から自社の施設で醸造しています。ぶどう畑を望むカフェやコンドミニアム、ウェディングまで手がけ、旭台のワインツーリズムの中心的な存在です。近くの生産者の委託醸造も引き受けていて、仁木の新しい造り手たちを支える役割も担っています。

ドメーヌ・アルビオーズ(2022年〜)

所在地 仁木町旭台
運営 株式会社フィールドオブドリームス(栽培醸造責任者:服部碧さん)
畑 約1.5ha(敷地は約6ha)
年間本数 約3,000本(将来は2万本が目標)
主な品種 ピノ・ノワール、ケルナー、ソーヴィニヨン・ブラン
代表的な1本 BONBORI(雪洞)(遅摘みのケルナーで造る、穏やかな甘さの白)
見学・購入 見学は未確認。余市の中根酒店、小樽・札幌の酒販店など

化粧品やサプリメントの販売を本業とする会社が始めたワイナリーです。経営陣が余市のドメーヌ タカヒコを訪ね、曽我貴彦さんに「そんなにワインが好きなら造ってみては」と勧められたのがきっかけでした。2018年に旭台の耕作放棄地を切り開き、2019年にぶどうを植え、2022年にワイナリーを設立。名前は「Harmony(和合)」と「Symbiosis(共生)」を合わせた造語です。服部さんは、近くの Domaine Bless で研修を受けながらワイン造りを覚えました。同じ会社が余市駅前のホテル「Yoichi LOOP」も営んでいます。

North Creek Farm(2024年〜自社醸造)

所在地 仁木町西町
造り手 鈴木正光さん・綾子さん
畑 約2.3ha(植栽約1.7ha)
年間本数 約2,500本(2024年時点)
主な品種 ピノ・ノワール、ゲヴュルツトラミナー、ソーヴィニヨン・ブラン、メルロー、ピノ・グリ、ケルナー、シャルドネ
代表的な1本 Blush(黒ぶどうと白ぶどうを一緒に発酵させた、淡い色のワイン)
見学・購入 見学は未確認。余市の中根酒店・馬場商店、小樽の酒販店など

会社員だった鈴木さん夫妻が、長野県の千曲川ワインアカデミーで学んだあと、2019年に仁木町へ移住。地域おこし協力隊として研修を受けながら農地を探し、2020年4月に余市川沿いの元さくらんぼ畑にぶどう園を開きました。醸造は岩見沢市の10Rワイナリーで2シーズン学んでいます。最初は Domaine Bless に委託して醸造し、2024年に畑のそばの古い納屋を改修した自分の醸造所で仕込みを始めました。

Pur.(ピュール)(2025年産〜自社醸造)

所在地 仁木町東町
オーナー 丹山東吉さん(栽培の中心は支配人の稲沢秀人さん)
畑 約3ha(約9,000本の樹)
年間本数 未確認
主な品種 シャルドネ(約45%)、ピノ・ノワール(約35%)、ピノ・グリ、ドルンフェルダー ほか
代表的な1本 PINOT NOIR 2022(委託醸造での初仕込み)
見学・購入 未確認

標高130〜150mと仁木町でいちばん高い場所にあるぶどう園です。2015年に開かれた畑を、2021年に丹山さんが引き継ぎました。丹山さんは札幌の不動産業が本業で、ベーカリー「ブルクベーカリー」も手がけています。お隣の余市がピノ・ノワールで知られつつあることから、将来はシャルドネの白を中心にする考えです。北海道新聞によると、自社の醸造所を完成させ、2025年産から自社で仕込んでいます。

ワインを出している、ぶどう生産者たち

仁木町には、自分の醸造所を持たずに、近くのワイナリーに醸造を頼んで(委託醸造)自分たちのワインを出している生産者もいます。

生産者 場所 特徴
Kii's Open Field(キイズ・オープン・フィールド) 南町 2010年開園の果樹園。ピノ・ノワールとソーヴィニヨン・ブランを育て、NIKI Hills に委託醸造。白とロゼ、年約1,000本が目標。果物の焼き菓子も直販
naritaya(なりたや) 旭台 蕎麦とワインの店と1日2組の宿。2020年開園、約0.3ha。4品種を一緒に仕込む白「Asahidai 245 Blanc」を Domaine Bless で委託醸造
仁木産業振興社 北町 地域おこし協力隊の出身者3人が2023年に設立。町内のぶどうを買って、野生酵母の微発泡ワインを委託醸造。「地元で気軽に買えるワイン」が目標
北海道ワイン 後志ヴィンヤード 東町 小樽の北海道ワインの自社管理畑。2020年開園、約7.6ha(植栽約4.2ha)。2021年に有機JAS認証。シャルドネ、ピノ・ノワール、ケルナー、アコロン

このほか、町のワインツーリズムサイトでは TOMAPU FARM、Niki vineyard も生産者として紹介されています。

余市と比べて見えた、仁木の特徴

  • 訪ねて楽しめる:見学ツアー、レストラン、宿泊を持つワイナリーが多い。余市はほとんどが見学不可
  • 企業が手がけるワイナリーが目立つ:広告会社のNIKI Hills、化粧品会社のアルビオーズ、不動産・ベーカリーのPur.、大手の北海道ワイン。余市は個人や家族の造り手が中心
  • 生食用ぶどうのワインがある:ナイアガラ、ポートランド、バッファローなど、昔から町で育てられてきた品種を使ったワインも多い
  • オーガニックの先駆け:ドメーヌ・イチが日本初のオーガニックワイン認証、北海道ワインの畑も有機JAS認証
  • 余市とのつながりが深い:アルビオーズはタカヒコの曽我さんの一言がきっかけ、ドメーヌ・イチのメインの畑は余市の登地区。仁木と余市は、一つの産地として見るのが自然です

札幌から仁木町への行き方

  • JR:札幌駅から快速で小樽駅まで約32〜40分。小樽で函館本線に乗り換えて、仁木駅まで約31分
  • 車:札幌北インターから余市インターまで約1時間、余市インターから仁木駅まで約10分

NIKI Hills Winery によると、仁木駅にはタクシーが常駐していないため、事前の予約がすすめられています。ワインを楽しむなら、運転は控えてください。飲酒運転は法律で禁じられています。

よくある質問

仁木町にワイナリーは何軒ありますか?

町の発表では7軒です(2026年3月現在)。委託醸造でワインを出している生産者も含めると、ワインの生産者は14事業者(2024年2月時点)になります。

仁木町でワイナリー見学はできますか?

NIKI Hills Winery と Domaine Bless でワイナリーツアーを行っています。開催日が決まっているので、事前に各ワイナリーのホームページで確認してください。

余市と仁木、両方回れますか?

回れます。JR余市駅と仁木駅は函館本線の隣どうしの駅です。余市は駅前の飲食店で、仁木はワイナリーのレストランや宿で、と組み合わせるのがおすすめです。

余市・仁木のワインを飲み比べるなら

札幌の and wine では、余市・仁木を中心に、北海道のワインを何種類も少しずつ飲み比べられるワイン会を開いています。初めての方はワイン会とは?、一人参加の方は札幌のワイン会に一人で参加するには?をご覧ください。余市のワイナリーは余市のワイナリー全20軒ガイドで紹介しています。

参考にした情報

  • 仁木町ワインツーリズム推進協議会「仁木町ワインツーリズム」(町の年表、人とワイナリー、アクセス)
  • 仁木町観光協会「ワイナリー」
  • 各ワイナリーの公式サイト(NIKI Hills Winery、ドメーヌ・イチ、Domaine Bless)
  • 余市町「余市ワインツーリズムプロジェクト」(ワイナリーの軒数)
  • 北海道新聞(Pur. の醸造所)

※ 情報は2026年10月時点で確認したものです。畑の広さや生産本数は取材時点(2024年ごろ)の数字を含みます。見学や営業の情報は、訪問前に各ワイナリーの公式サイトで必ずご確認ください。ページ上部の画像はAIで作成したイメージで、実在のワイナリーではありません。

次回の開催は未定です。

決まり次第、LINEとこのサイトでお知らせします。一人参加・ワイン初心者の方も歓迎です。

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