余市ワインとは?品種・気候・歴史と、初心者向けの選び方・楽しみ方

北海道の余市町は、いま全国から注目を集めるワインの産地です。and wine では、札幌のワイン会で余市ワイン・北海道ワインを中心に取り上げてきました。

この記事では、余市がワインの産地として知られるようになった理由を、気候・品種・歴史から整理し、初心者向けの選び方や、品種ごとの味わいと料理の合わせ方、ワイナリーを訪ねるときの注意点までまとめます。

余市ってどんな場所?

余市町は、北海道の西部、積丹半島の付け根にある日本海側の町です。札幌からは車や鉄道で行ける距離にあり、りんごやぶどうなどの果樹栽培が盛んな土地として知られてきました。ウイスキーの蒸溜所がある町としても有名です。

余市町登地区のぶどう畑。奥に余市の町並みと山が見える
余市町登(のぼり)地区のぶどう畑。丘の斜面から、余市の町並みを見下ろせます。
写真:daita saru「余市町登地区」/CC BY 2.0

町の北側は日本海に面していて、海からすぐの丘にぶどう畑が広がります。この海と畑の近さも、余市の風景の特徴です。

余市の海岸。防波堤と海に浮かぶ岩
余市港の近くの海岸。
写真:heriheri「余市に浮かぶ岩」/CC BY 3.0

余市がワインの産地として注目される3つの理由

1. ぶどうづくりに向いた気候

北海道というと寒いイメージがありますが、余市は道内では比較的温暖で、夏に雨が少ないのが特徴です。昼と夜の寒暖差も大きく、町や観光協会は、その気候風土をフランス・ブルゴーニュ地方にたとえて紹介しています。

一般に、昼夜の寒暖差が大きいと、ぶどうは糖度を上げながら酸味も保ちやすいといわれます。余市のワインに、すっきりとした酸味を感じるものが多いのは、この気候と関係があると考えられています。

2. 長く続く果樹栽培の土台

余市はもともと果樹の町です。1980年代には、ワイン用のぶどう(醸造用ぶどう)の本格的な栽培が始まりました。果樹づくりの技術と経験が、ワイン用ぶどうの栽培にも生かされています。余市観光協会は、ワイン用ぶどうの栽培面積と収穫量が、ともに全国トップクラスだと紹介しています。

3. ワイン特区で広がった小さなワイナリー

2011年、余市町は道内で初めて「北のフルーツ王国よいちワイン特区」に認定されました。ワインを造るための条件の一部がやわらげられ、小さな規模でもワイン造りに挑戦しやすくなりました。2010年代以降、町内には個性的なワイナリーが次々と生まれています。

余市で多く育てられているぶどう品種

余市観光協会によると、余市で栽培の多いワイン用ぶどうは、次の順です。寒さに強いドイツ・オーストリア系の品種が中心で、近年はピノ・ノワールも注目されています。

順位 品種 色 一般的な味わいの傾向
1 ケルナー 白 さわやかな酸味と、花や柑橘を思わせる華やかな香り
2 ツヴァイゲルトレーベ 赤 チェリーのような果実味と、ほのかなスパイス感。渋みは穏やか
3 ミュラー・トゥルガウ 白 穏やかな酸味で、フルーティーで飲みやすい
4 ピノ・ノワール 赤 軽やかで繊細な香り。酸味がきれいで、渋みはやわらかい

味わいの傾向は一般的なものです。造り手や畑、その年の天候によって、同じ品種でも印象は大きく変わります。

品種ごとに合わせたい料理

品種 合わせたい料理の例
ケルナー 白身魚のカルパッチョ、ホタテ、天ぷら、ハーブを使ったサラダ
ツヴァイゲルトレーベ 焼き鳥(たれ)、豚肉のソテー、ジンギスカン
ミュラー・トゥルガウ 野菜の料理、鶏肉、和食の煮物
ピノ・ノワール 鴨や鶏のロースト、きのこ料理、サーモン

北海道の食材と北海道のワインは、合わせやすいものが多いです。牡蠣との組み合わせは牡蠣に合うワインの選び方で紹介しています。

「日本ワイン」と「国産ワイン」の違い

余市ワインを選ぶときに知っておきたいのが、ラベルの表示です。2018年10月から、国のルールで次のように区別されています。

表示 意味
日本ワイン 国内で栽培されたぶどうだけを使い、国内で造られたワイン
国産ワイン(国内製造ワイン) 国内で造られたワイン。輸入した果汁やワインを原料にしている場合もある

このルールでは、産地名をラベルに書くための条件も決められています。産地にこだわって選びたいときは、「日本ワイン」の表示と産地名を見るのがひとつの目安です。

初心者向けの選び方

  1. まずは白から:余市で栽培の多いケルナーは、さわやかで飲みやすく、最初の一本に向いています。
  2. 赤は軽やかなタイプから:ツヴァイゲルトレーベやピノ・ノワールは、渋みが穏やかで、重い赤が苦手な方も試しやすいです。
  3. スパークリングも候補に:酸味がきれいな産地は、泡のワインとも相性がよく、乾杯や食事の最初に向きます。
  4. 好みを一言伝える:お店では「すっきりした白」「渋みが少ない赤」と伝えるだけで選んでもらえます。

ラベルの見方

  • 生産者名:造り手の名前。気に入った造り手を覚えると、次から選びやすくなります。
  • 品種:上の表の品種名が書かれていることが多いです。
  • 収穫年(ヴィンテージ):ぶどうを収穫した年。同じワインでも年によって味わいが変わります。
  • 産地:「余市」「北海道」などの表示。
  • 日本ワインの表示:国内で育てたぶどうだけを使っているかの目印です。

おいしく飲むための温度とグラス

種類 温度の目安 ポイント
スパークリング 6〜8℃ しっかり冷やすと泡がきめ細かく感じられる
白・ロゼ 8〜12℃ 冷やしすぎると香りが閉じる。冷蔵庫から出して少し置く
軽めの赤 14〜16℃ ピノ・ノワールなどは少し冷やしてもおいしい

グラスは、口が少しすぼまった形だと香りを感じやすくなります。

ワイナリーを訪ねるときの注意

余市町では、ワインツーリズムの取り組みも進んでいます。訪ねる前に、次の点を確認しておきましょう。

  • 見学・試飲・購入ができるか:小さなワイナリーは、畑仕事や醸造で忙しく、一般公開していない日や予約制のところもあります。事前に公式サイトなどで確認を。
  • 運転する人は飲まない:試飲をするなら、鉄道やタクシー、ツアーを使いましょう。
  • 畑に勝手に入らない:ぶどう畑は、農家さんの大切な仕事場です。
  • 季節を選ぶ:夏は畑の緑、秋は収穫の時期。冬は雪で休むところもあります。

余市町のワイナリー20軒の場所・創業年・品種や、見学できるところ、余市のワインが飲める店は余市のワイナリー全20軒ガイドで1軒ずつ紹介しています。お隣の仁木町は仁木町のワイナリーガイドをご覧ください。

ワイン会で余市ワインを味わう楽しさ

ワインは、産地や造り手の話を聞きながら飲むと、印象が変わります。ワイン会なら、1本ずつ買うのは難しい銘柄も、少しずつ飲み比べられます。自分の好きな品種や造り手を見つけるきっかけにもなります。

札幌での開催情報は、決まり次第このサイトでお知らせします。ワイン会の流れはワイン会とは?で紹介しています。Q&Aやお問い合わせもご利用ください。

参考にした情報

次回の開催は未定です。

決まり次第、LINEとこのサイトでお知らせします。一人参加・ワイン初心者の方も歓迎です。

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